This Love 絶対絶命、と言うのだろうか。この状況は絶対に人生の一度や二度さえ陥らないものなのに、自分は悪運強いのかただ運が良いのかさえ判別もつかない。只言える事は目の前には瞬きさえすることを忘れてしまう夜神月の裸体がちらちらとシャワーカーテンから覗かせていた、これだけだ。 テニスサークルの練習が終わって、帰宅前にシャワーでも軽く浴びようとしていたのが良かったのかも知れない。それとも自分が召集をかけられる程の実力の一年生だったこともあるかもしれない。それともただ、自分は夢にまで見てしまった、あの夜神月の裸体を拝ませてくれるチャンスをなぜ与えてくれたのか(それは神のみ知るかもしれない)。一度礼を言わないと悪い気もしてチラチラ覗く夜神の背中を見ながら神に礼を言った。ありがとう、俺は幸せだと。 蛇口の閉まる音がして慌てて角に身を隠した。タオルで下肢を覆いながら夜神はタイルに足を伸ばす。つめてっ、と小さく呟く声が、妙に鮮明に鼓膜に響いた。 「だれかいるんだろ」 夜神の声に自分も隠れていたところから姿を現した。 「俺だ」 「隠れなくても良いのに」 何か面白いことがあったかの様に夜神はおかしそうに笑う。顔がくしゃっ、と歪んでキレイな風貌をより欲望を掻き立てる顔をする。シャワー上がりで頬も仄かに上気してて、ピンク色だ。 「おまえ、いいな」 「え?」 気がつくと、夜神月は俺の下にいた。 噛み付くように唇を貪る。部屋には水滴がぴち、ぴちと小さくタイルに流れこんで、あぁ、どっかの馬鹿が蛇口をちゃんと閉めなかったな、と頭の隅で考える。夜神の腕が自分の胸辺りを本気で押して、どかせようとしている。明らかな体格差は誰がどう見たって俺の方が有利で、押し退けようとする夜神の腕を両手で冷たいタイルの上に拘束する。息を切らしながら涙目で睨んでくる夜神は、今まで寝てきた誰より中に自分の欲望をぶちまかしたいと思った。そんな目をする夜神を見てるだけで、ゆっくりとペニスが勃ってゆくのが感じた。 不思議に、夜神を声を発しなかった。堪えるように唇を噛みしめて、睨んでくるだけで。ただそれだけだった。 股間を夜神のに擦り続けてゆくうちに完全に勃ったのが判った。タオルを取り除けてみたら夜神も同じく、勃っていた。 「意外とこういうの好きなんだ…」 下衆な発言を呟いた自分に驚いた。問いかけでもなく、自分に聞かせるのでもなく、ただ、出た言葉。息が荒くなっている夜神を見てると自分はなにも快楽をまだ生み出そうともしていないのにまるでそこを刺激しているような気分になる。おかしくなる。 口から互いの体液が出てる夜神が艶かしくて一気に突いて欲望を吐き出したいと思った。 指を夜神の口に入れて濡らして、残りは少しずつ溢れ出る先端からかすりとって後ろに宛がった。強張る夜神を気にしないですぶりと容赦なくいれた。せまく、生温い中は何故かは判らなかったけれど、余計に征服欲を煽らせた。早く 早くとでも言ってるかのように自分の視界はそこしか目に入らなかった。完全に抵抗を止めた夜神はただ、自分を睨んだ。 少しずつ、慣らしてゆこうとする。女でも普通に強張りすぎてきつく無意識に拒絶を示すのに、夜神は力を抜いてて、なんと都合が良いかとまた、神に礼を言った。鼻が赤くなってて、涙が生理的に溜まるのかもしれないが、夜神は口を噛みしめながら自分を中に受け入れた。ずぶずぶと生々しい音がシャワールームに響く。興奮が絶頂まで達して、浅く深くとピストン運動を繰り返し、とうとう耐え切れず夜神が短い叫びを上げた。それも虚しく、小さな声は行為の音量でかき消された。彼の声は、突いている自分越しに振動で伝わった。 昔遅漏、と褒められたのか貶されたのか、がある。それは今でも健在で、夜神は耐え切れないまま断片的にあっ、ぁあっと突いているリズムと同時にとぎれとぎれに声を出した。そして、ついに俺は欲望を中でぶちまけた。天国に行くとは、こういうことだと判ってしまったのかもしれない。まったく、こんな身近にあったとはそれも気付けたのは夜神月のおかげである。 その後のことはどうもあまり覚えてない。興奮のまま彼をまた一度犯して、すっきりしてから何も言わずに彼をそこに置いてきた。もう一回シャワーを浴びさせる羽目になったな、とそれに罪悪感を感じながら帰路についた。そして一週間後の憶えてない時刻で、頭がぼんやりしたまま俺は立ち読みしていたコンビニから足を踏み出して青になった信号の真ん中まで歩いて、手を大きく振りかざした。なんだか神のような気持ちになってきて浮かれて、その後は―― 杏樹さんを脅して無理矢理奪い取りました。むしろそもそも無理に書かせました。 ついつい犯しちゃったりその後口封じに殺しちゃったりする電波っぷりが最高です。私もいつかこんな電波な俺月が書けるようになりたいです。 戻る |