空模様 6 |
9/30 君の鼓動しか聞こえない 色々悶着や事件があってからのラストシーン、あの公園のベンチに座るキースと、その前に立つシス。無機質なシスの身体を引き寄せ、キースは彼女の胸にそっと耳をあてる。 「……君の鼓動しか聞こえない」 9/30 君の鼓動しか聞こえない 2 事件があってボロボロになったキースが虎徹の背中に背負われている。 虎徹もまたボロボロだけれど、歩きながらキースに話し掛け続けている。キースは返事をしない。 「おい、聞こえてるか?」と虎徹が問い掛けると、キースは彼の背中に顔を押し付けて「君の鼓動しか聞こえないよ……」 9/30 君の鼓動しか聞こえない 3 静かな室内、二人きりのバーナビーとキース。 ひと悶着あってお互いの気持ちを知ってしまい、微妙な沈黙の中並んで座っている。 静寂に耐えかねてバーナビーが「……静かですね」と掠れた声で言う。 それにキースは微笑んで「そんなことはないよ。君の鼓動が聞こえる」 9/25 ベーカリーにて 忙しくしているキースが、ふと空腹を覚えてベーカリーに立ち寄る。 パンをひとつ購入しようとして1ドル50セントだと言われ、カードを渡したらカードは2ドル以上でないと決済できないと言われる。 財布には1ドルしかない。困り果てるキースに店員が「ご一緒にコーヒーはいかがですか」 9/29 不適切な比喩 スタジオ「どうですかスカイハイさん、強風ですね!」 スカイハイ「ああ! とても強い風だ、とても!」 スタジオ「どれくらいの強さですか?」 スカイハイ「そうだね、後ろから男の人にドンと突き上げられるくらいの感じだ!」 スタジオ「」 9/23 天然は自称しない イワンが泣きながら走ってくる。何があったのか問いただすと、キースが「わたしはよく天然と言われるんだが、自分ではそうは思わないんだ」と言いだしたらしい。天然ではない証拠だと泣いている。 後で本人に事情を確認したところ、食事に誘われたら一度はそう言えとネイサンに教わったらしい。自衛か。 9/22 気付いてはいけない トレーニングの合間に水分を補給する。たまたま誰もいない休憩室、テレビを眺めるキースの襟足が汗ではりついている。 「スカイハイさん」 呼んでから、事前に話題を用意し忘れていたと気づく。 「なんだい、バーナビーくん」 「その、……首のあたり、拭いたらどうですか」 「? ああ、そうするよ」 「あの、今夜降るとおもいますか」 ばかげた質問をしている。何も浮かばない。 「ああ、今夜は降らないよ! 風でわかるんだ」 「それはよかった。それじゃ」 休憩室を立ち去る。次は、不用意に近づかないように気をつけなければ。 9/22 意識 バーナビー「スカイハイさんの、」 キース「うん?」 「スカイハイさんの髪、ここのところが跳ねてるじゃないですか。……何故か、視界に入るんですよ」 「……なるほど。バーナビーくんの髪も、跳ねているから視界に入るんだね」 9/11 ローライズだと腹が冷える話 「……この部屋、ちょっと暑いですね……」 イワンがためらいがちに声をかける。そうだね、と視線を伏せて頷いたキースは、ジャケットを脱いでそっと隣に置いた。微かに頬を上気させ、自らTシャツの襟を引き下げる。 「あの、温度下げてもいいですか」 「そんなズボンで君がお腹を下さないか心配なんだ」 9/11 ローライズだと腹が冷える話 2 「足りないものはないかい?」 ドア越しに訊ねられ、イワンは思わず跳び上がりかけた。 「だっ、大丈夫です!」 浴室に反響する声が上ずっていて恥ずかしい。下心を気取られていないか緊張する彼に向けて、キースは言葉を続けた。 「君に、腹巻も用意したんだ」 「……はい?」 「お腹を下さないようにね!」 (09.11.12-09.30.12) 戻る |