空模様 3 |
5/23 キスの日 手のひらに唇を押し付ける。こっそり、こっそり。 「ねえ、スカイハイ」 「なんだい、キッドくん」 「ボクの手のひら、なんか変な匂いしない?」 「そうかな?」 「嗅いでみて」 「いいとも! ……うわっ!」 「えへへー、騙されたー!」 笑いながら走り出す。今はまだ間接キス止まり。 5/23 キスの日 2 二人で会うことが少し多くなった。二人で話す時間が少し増えた。それだけだ。俺の手はとっくにいっぱいで、もうこれ以上何も抱えられないってわかっているから、あいつも何も言わない。 「虎徹くん、……いや、ワイルドく、」 呼ばせた覚えのない名前を呼ばれて、衝動に負けた。 5/23 キスの日 3 たかが5cm、されど5cm。普段は気になる身長差もこの時だけは嫌いじゃない。いつもまっすぐ前を見ているキースさんが、僕に合わせて少し恥ずかしそうに俯く、その角度が好きだ。唇で距離を測っていつものように決意する。いつか追い抜きますからね、キースさん。 5/23 キスの日 4 散々弄ばれて放り出された身体が痛む。痺れたように感覚のないそこから、中に出された体液がどろりと零れる。 「ははっざまあみろ」 「ヒーローにでも助けて貰うんだな、KOH」 笑い声が足音と共に遠ざかって、スカイハイはぐったりと目を閉じ、唇に触れた。初めてだったのに。 5/23 キスの日 5 ソファで寝そべるのは彼の悪い癖だと思う。うっかり眠ってしまったら風邪をひかないだろうか。だらりと垂れ下がった手を横目にブランケットを取る。そっと掛けようとした途端に腕を掴まれて顔を引き寄せられた。 「引っかかったな、キース」 騙されてなんかいないよ、虎徹くん。 5/13 変更しました 「メールアドレスを変更しました」って名無しメールがきたので「誰ですか?」って送ったら「誰だろう、そして誰だと思うかい?」って返信がきたのでとりあえず「ありがとう、そしてありがとう!」って送ってアドレス帳にスカイハイさんって登録したけど結局あれスカイハイさんだろうな…… 5/8 一夜の過ち キース「何だろう、腰が痛い……あれっ折紙くん、何故わたしのベッドに……?」 イワン「おはようございますキースさん、実はいいニュースと悪いニュースがあります。どちらを先に聞きたいですか?」 「えっ……いいニュース、かな」 「あなたのお尻に怪我だけはさせませんでした」 5/7 普通に イワン「スカイハイさん!」 キース「なんだい?」 「僕で妥協しませんか!」 「えっ? えっ?」 「だからその、僕で妥協しませんか!」 「ええと、妥協はできない、そしてできないよ、折紙くん」 「! そう……ですか……」 「妥協じゃなくて普通にお付き合いしよう」 「えっ」 「えっ」 3/23 第三者 スカイハイさんに「後で公園まで来てくれないかな///」って言われて「うち逆方向なんだけど」と返した虎徹さんが最近また「付き合ってくれワイルドくん!」って言われて「今日は疲れたから土日な」って答えたらしく、「また泊まっていくかい?」という返しに眼鏡が割れるかと 2/29 スカイ廃 バーナビー「スカイハイさんが二位だなんて、つらいです……」 虎徹「お前そんなにスカイハイが好きならなんでKOHになったんだよ」 「僕が手を抜いたらスカイハイさんに失礼だからです!」 (02.29.12-05.23.12) 戻る |